ガラスのCDというものが発売されるらしい。

はて。なんじゃそれ?ゴールドディスクとかの美術品の一種か?と思った。
謳われてる性能っていうのが「高音質化」「安定性や耐久性の向上」だそうだ。
一枚98,700円だって。むちゃくちゃ高価だなぁと思う。


個人的には、ガラス素材で音質がよくなる根拠がわからないのです。
まず、CD-DAというのはRedBookという規格が制定されています。
そこではデータを読み取れなかった場合のエラー訂正の方法の規定もあります。
内容としては、リードソロモン符号を元にしたエラー訂正方法が取り入れられています。
このエラー訂正の性能はかなり高かったような気がします。


性能比較の対象がガラスと通常製品のポリカーボネートでは
CDから取り出されるデータはほぼ同一だと思います。
さらに、新品同士の比較実験だと全く同じなんじゃないかなぁ・・・


当然ながら、ディジタルデータは劣化しません。
ただし、記録するディスクはアナロクなのです。
ディジタルデータであるテキストデータや音声データは経年劣化しません。
送ったメールと受け取ったメールは全く同一であるように。
ただそれを記録しているハードディスクやメモリは劣化するのです。
それそれ故、CD素材の経年劣化によってディスクが白濁し
「エラー訂正の限界を越えた状態」では音質は変わるのではないでしょうか。


個人的には、CDの高音質化っていうのには疑問。
ただ、安定性の耐久性の向上はわかんない・・・っていう程度の話です。
というか、ポリカーボネートとガラス素材の劣化実験をしてみねーと
どっちが耐久性に優れた素材かわかんねーし。
さらに、保護面だけじゃなくてレーザが記録面に与える影響も考えなくちゃ・・・
「音質が向上している」なんてオーディオマニアのたわごとだと思います。
というより正に技術的じゃなくて心理的要因じゃあ・・・と思う。
音楽は人間の認知によって成り立つので、非常に感覚的なものだと思います。
そういう思い込みっていうのは、人間に対して結構大きい影響を与えるので
バカにできないと思います。科学的根拠がなくても
「良い音に聞こえる人には聞こえてしまう」可能性は十分にあると思います。
音質が良く感じるのはCDプレイヤーのエラー補正機能じゃなくて
脳の補正機能かもしれませんね・・・と言う意味で効果はないと言えないかもしれません。
本当に音が良いと感じるなら材質の問題ではなく他の原因だと思う。
例えばスピーカーとかね。


私は、ディジタルにすればすべて品質が良くなるとは思いません。
ディジタルの性質上、アナログとは違い「捨てられる部分」があるからです。
また、ディジタルデータ自体は論理的なものです。いうならばただの記号。
それを保存する物体は実体であって永久のモノではないのです。
つまり、ディジタルは万能ではありません。
しかしながら、いろいろ考えましたが、
やはり素材の違いで高音質にはならないと思います。
ディスクだけで高音質にする方法は
原音に対するサンプリングデータ量を増やすしかないのではないでしょうか。
DVD-AudioSACDはその方向性だったはず。
オーディオマニアには符号理論は無縁なので、仕方ないかもしれませんが。
「まあ、あなたのお気に召すままに。」と思う。